メンバー 内海、鈴木直、小川、中尾、中山
3月20日(金)雨のち曇り後晴れ
8:00に奥飛騨温泉出発。いきなり前夜から雨。
憂鬱になりながら穂高平までは雨に降られる。
穂高平の小屋に着くころには雨は小止みになる。
しばし休憩。昨年2月に来た時はずっとラッセルだった。
急激に天気が回復。時折、陽が指す中を昨年と同じルートでまっすぐ西尾根に取り付く。
もちろんトレースは無い。でも2月と比べれば圧倒的に楽。つぼ足でもOKな位。
昨年2月は尾根に取り付いて2時間粘ったが折しも大雪で100mも進めなかった。
途中でまたガスる。
2時間ほどで雑木林からつがの木の林に入る。
さらにしばらく歩いて夏道の1940mの標識で他から登ってきたトレースと合流。ずいぶん時間がかかった。
ここでテントを張るには低すぎるのでピッチを上げてトレースをたどる。
標高2100m付近より急に風が強くなってきた。視界も回復してくる。
標高2300mに風の弱い樹林に中の平坦地を見つけテントを張る。16:00。
3月21日(土)快晴
朝から快晴、強風。6:00出発。
第1岩峰はトレースが着いていたので自然に右に回りこむ。
これがちょっと失敗。
ずーッと雪の斜面の巻きになってしまった。
はるか頭上は西穂頂上方面。
振り返ると乗鞍と焼岳に朝日。
急な雪面を他のパーティも交えて岩壁伝いに登る。
雪面を登っている間に第二岩峰も下を巻いていることに気づく。
だいぶ高度が上がってきた。西穂山荘が見える。
とにかく尾根に上がろうということで目先に見えるコル目指して登高する。
このあたりアイゼンは爪しか刺さらない。しかも雪面はさらに硬くしまっている。
結局ジャンクションピークの次のコルに出てしまった。槍ヶ岳が見える。ここから強風地帯に入る。
ジャンクションピークと西尾根(一番下が第一岩峰)
ロープウェーの駅が下に見える。
ここからが核心になってしまった。
まず、先行するパーティの1名が転落・滑落・・・・・。
200mは転がっていった。凍った斜面で強風でバランスを崩したか?
緊張が走り、重い空気に包まれる。
一部始終を見る。
幸い傾斜のゆるいところまで転がっていって自然に止まった。
大きく重いザックを背負って横向きにザックごと転がるとザックの遠心力でピッケルは刺さらない。
方向転換もできなかった。足や腕で無理に止めようとしなかったことが骨折を免れたようだ。
仲間が助けに下降する。
救助要請も無く、大事に至ってなさそうだったので、自分たちのことに集中する。
登るにつれ強風はますます強くなる。上部は岩稜と雪稜が続く。
一つ岩稜を越えたら、頂上が見えてきた。
さあ、あの頂をを目指して最後のひとがんばり!!。
槍に涸沢岳、ジャンダルムを横に眺めて最後のがんばり。
夏とは違い狭い頂上に9:30に着く。
西尾根と笠ヶ岳
残るは登りより怖い下降。下に見える樹林目指して下降開始。
良い天気で大展望を楽しみながらの下降。なぜ風が強いのか判った。
この西尾根、涸沢西尾根より明らかに飛び出している。
岩稜のクライムダウンは続く。フィックスもあるのだが着雪と深雪に埋まっており使えない。
基本に着実にアイゼンを刻む。
途中から沢を下降することにした。
雪崩れの危険は全く無し。有るとすれば自分のクランポン技術のミスだけだ。
ミスをしないよう緊張して下る。
幸い、ツアッケは全て刺さる。少し雪面が気温で緩んできたようだ。
早いやつはあっという間に第一岩峰へ下る。
遅いのは新人。だが、ここで転ぶより着実なほうが良いに決まっている。
11:30には樹林帯に入り、ロープウェー組と無線交信試みるが応答無し。
よって携帯電話で呼び出してみるとまだ鍋平高原でロープウェー1時間待ちとのこと。
12:00にはテント着。明日は雨とのことで今日中に下山決定。テント撤収開始。
テンバからロープウェー駅から西穂山荘へ続く尾根。
笠ヶ岳をバックに記念撮影し下山開始。
槍ヶ岳から西銀座の山々。
西穂と西尾根。(左のピークがJP。右の高いところが頂上)
下に奥飛騨温泉。
13:30の無線交信。標高2100m付近。
帰りはトレースの大きい方をたどって夏道と思われる方向に行く。
結局沢沿いを急下降して、牧場に出る。
急下降の後は平になったのだがとにかく潜る。ズボズボ・・・・・・。
やがて大雪原の中の小さな穂高牧場の小屋が見えてきた。
頭上は槍ヶ岳。15:30。
駐車場に着いたのが16:30だった。体が久々にガタガタになった。
たるまの湯で汗を流し、まったりしてからPM9:00頃、安曇野道の駅でテントを張って一泊する。
3月22日(日)雨
6:00にテントを撤収し、松本のロイヤルホストでマッタリし、午前中には埼玉で解散する。
西穂西尾根は小粒でぴりりと辛く、新人クラスのレベルアップには最適です。
皆さんお疲れ様でした。
前へ戻る