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■ 大行沢遡行   2008/10/04
カテゴリー: - 管理人 :

大行沢(おおなめさわ)遡行
              08年10月4日〜5日
              中田・牧野・鈴木(五)

「天国に通じるナメ」があるという。
昔「天国で結ぶ恋」(確か、天城山心中?)というのがあったが、「天国のナメ」ってなんや? という興味もあって、ここのところ東北の山旅をしている三人組で紅葉の渓をもとめて一路「仙台」の西方にある二口山塊の「おおなめさわ」に行った。
 大行沢出合の駐車場にはトイレもあり格好の仮泊スペース。深夜12時ごろ着き、牧野テント内でいつもの軽い酒宴、空は満点の星屑。

 翌朝、大東岳登山口(4、5台置ける駐車スペース有り)まで少し戻り、そこより林道のどん詰まりまで行き、入渓する。
 駐車場の橋の下の出合より直接入渓することもできるらしいが、すぐゴルジュ帯となり、かなり水浴びせねばならないということなので、「年寄りの冷や水」と言われないためにも、
上記ルートよりの入渓とした。
 しばらくゴーロ帯が続く。沢幅が広く、巨岩が行く手を阻む。いったん右岸に行くと左岸にルートをとろうとしてもなかなかその巨岩が邪魔をして戻れない。それぞれ勝手に渓を歩く。
 私はある場所で少し高捲きしすぎて、結局、泥壁を下らざるをえなくなり、2、3メーターずり落ちる。左岸側では二人が笑っている。
 左岸に京淵沢の大滝からの豪快な水しぶきが遠望できる。
 二段の滝が現れる。下段は落ち口に向かって左側のバンドのところを遡上する。上段10メートルの滝は左岸を登るが、出口がちょっとヌメヌメしていていやらしい。
 そこを越えると河原の中の絶好のビバークポイント。焚き火でもして、「釣りキチ三平」の気分でイワナ釣りでもしたいところ(ホントに焚き火の周りにイワナの串がいっぱいという、光景が目に浮かぶのです)
 先頭を歩く牧野さんはイワナの魚影を何度も見たという。残念ながら二番手の私は見れず。
 そこよりお待たせいよいよ「天国に通じるナメ」の連続。もう、ホントにナメ、ナメ、ナメなんです。ところどころナメ床には大穴があり、気をつけないとドボーンとなるところがある。ガスっているときなどは要注意かも・・・。
 水はいい、なにか子供心に戻れ、それぞれ、思い思いにナメ床を少年気分でペチャペチャ歩く。
 今回の二つ目の滝に出合う。ハダカゾウキ沢の出合にある大滝(?)である。登り口まで滝つぼが広い。「あすこから、ここへ、そして、あすこへ」と遡上イメージつくるが、落ちれば、ここまで戻ってくるには泳ぎか。
「ザイル出すか?」
「・・・・」
しばし三人無言。
「あうん」の呼吸で「エイ、いっちゃえ」とばかり牧野さんが右の壁から取り付く。私が作った遡上イメージとは違ったルートだ。おっかなびっくりで老体に続く。
だが、見た目ほどむずかしくなく、滝上に。そこには今夜の泊まり宿「樋ノ沢(とよのさわ)避難小屋」がすぐ右に建っていた。

本日もナメの連続。ここより、樋ノ沢と名を変えるという。
ブナ林がおおいかぶさるナナメをひたすら歩く。紅葉には少し早いのか葉の色づきはまだのよう。気分爽快! 
「1時間半で二股に着いた」という記事を読んできたため、ここより、この山行のとんでもない苦行の始まりとなる。我々高齢者なのにそこまで1時間で来てしまったので、まだそこは「二股」ではないと思い込み、沢奥へ突っ込んで行ってしまった。本来はここよりアッという間に稜線に出られるはずだったのだが・・・(あとでその記事を読むと、どうも、沢登り教室とやらのもので、講習しながらのものなのか、そのため時間が違っていたようだ)
 水の流れなくなり、沢が細くなり、突然ヤブの中にでる。ふみ跡はまったくない。「富士山の樹海」の中に紛れ込んだよう(と、いっても、映像でしか知らないが)。
 牧野さんの指示で「もっと右だ」「もう少し、左へ」と言われながら、必死に頭上より高いヤブをこぐ。ばてた、でも、上に行かねば。60代三人にはこれは堪えた。このままだと冗談じゃないホントに別の意味で「天国に通じてしまう」?
 悪戦苦闘すること3時間近く、頭上のヤブも矮小化してきた。何度ものヤブこぎの経験上、そろそろ稜線にでそう。「ヤッター」汗まみれの目の前に、道が。とうとう稜線にたどり着く。5分も歩くと、そこは「大東岳」の山頂だった。
 ここまで来るとは思っていなかったので、帰りは仕方なく、沢靴のまま、しっかりとした登山道を下山。道は有難い!
 泊まった避難小屋(水場あり)からの下山道からは、昨日遡行した大行沢がまぶしいくらいに光っていた。

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