logo
logo
  ログイン 
 アクセスカウンタ
今日 : 4848
総計 : 599968599968599968599968599968599968
 時計
 山行記録 月別過去ログ
 山行記録 検索
 リンク

■ 雪上訓練−マチガ沢   2010/04/18
カテゴリー: - 山下 :

今回の雪上訓練はスタカットを想定したビレイワークを徹底的に覚えることを目的とした。
実際には現場に於けるコンテでの行動は不確定要素が大きく、確実に「止める」ことを身に付けるならまずはスタカットでのシッカリとしたザイル操作を身に付ける事を重視した。


 【春浅いマチガ沢】

前夜、谷川岳BPで仮眠後、時折薄陽の差す林道をマチガ出合に向かって歩く。
出合より厳剛沿いを10分程登ったところのやや急な斜面を訓練場所に定め、アンカーの取り方から講習を開始する。
スノーバーは教科書通りなら縦に山側に握り拳一つ分鉛直に打ち込むのが定石だが雪面に溝を切って横方向に設置するのが意外に安定している事などを実際に荷重を掛けて実証してみた。
実際、スノーバーの長さ程の積雪量が無い場合むしろこちらの方が現実的かも知れない。


 【少し登った左斜面に良い訓練場所を発見】

続いてザイルを使ってのビレイだが、これはお決まりのスタンディング・アックスビレイから。
3月の一ノ倉集中などでおなじみのビレイ方法だが初めての会員にはザイルの方向、立ち方と加重への対処方など覚えることは沢山ある。
一見簡単そうに見えるこのビレイも訓練場所の雪面がグッドコンディション?なため、飛ばされる者が相次ぎ意外と難しいことが判る。

この後、肩絡み・腰絡みでの実戦訓練である。
案の定、肩絡みは確保者の支点が高くなるため加重の「受け止め方」が難しく、落下役が勢いを付けて滑ることもあって引きずり込まれる者が続出した。
コツは握力でブレーキを掛けるのではなく上半身のフリクションを有効に使い、初期制動から完全停止までを一連の流れの中で感じながら習得することだ。
でも「言うは易く行うは難し」である。流れ過ぎ!と感じて送り手側の握力に力が入った瞬間、あっと言う間に体勢を崩し持って行かれてしまう。解っていても握力に頼ってしまうのだ。
背中のフリクションに全神経を集中し、まずは落ち着いて落ち着いて…。


 【東南稜の岩場】


 【このようにピッケルのヘッドにザイルを掛ける】

次に足場が安定している場合、多用するだろう腰絡みのビレイ。
実際にはこれが一番多く使うかも知れないビレイ方法だ。まずは安定した足場と体勢の確保から。
これはシッカリとした足場を確保出来さえすれば後はそれ程難しくはない。重心が低い分、加重への対応も幾分楽となる。
やはりザイルの「止め方」よりも「流し方」に意識を集中すると割と上手くいくようだった。

ここで牧野講師より教わったのが尻側にピッケルを打ち込みその外側にザイルを掛ける方法。
要するにザイルと腰の間にピッケルを噛ますと思えばいい。体重はヘッドに傾け気味に乗せるのでショックが少なく精神的にも安心感がある。


 【繰り返し何度も何度も練習する】


 【落ち役も楽じゃない、もう疲れたよ〜】

どのような方法にしろ身体で覚えるしかないので繰り返しそれぞれがある程度納得出来るまで練習を続けた。
お陰で訓練用ヤッケはボロボロ、完全に一直線に切れ目まで入ってしまったがこれで技術が身につけば安いものだ。
尤も「訓練用」を忘れて一張羅をダメしてしまった者もいて誠に「お気の毒」ではあったが。

気圧配置は弱い冬型なのか時折差す薄陽を流れの速い雲が遮りこの季節にしては珍しく寒い一日だった。
斜面の木々の影が長く伸びてきたので訓練を終え雪解けに濡れる林道を戻り帰途についた。


 【薄陽の斜面に影が長くなる、そろそろお終い】

参加者:L内海・牧野・風間・中山・木村・中尾・折原・伊丹・中野・山下

前へ戻る

15 queries. 0.019 sec.
Powered by WordPress Module based on WordPress ME & WordPress