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■ 北ア 裏銀座〜船窪岳〜針ノ木岳 〈前編〉   2010/07/27
カテゴリー: - :

個人山行記録;G.S.

2010年7月27日〜8月3日
北ア 裏銀座〜船窪岳〜針ノ木岳
Men;鈴木G

● 7月27日(晴れ) 新穂高温泉〜双六池

痛い! やはり、この靴ではダメだったか!
前回の山行で左くるぶしの辺りが痛み、心配してきたことが現実になってきた。こうなったら、もう、靴を足に慣らすしかない、と覚悟を決め、左俣林道をわさび平小屋に向けて歩き出す。
荷は19キロ、少しでも軽くするため、水は最後の水場「秩父沢」までペットボトル(900ミリ 2本)には、わさび平小屋で少し入れるだけにした
しばらく車道を進み、右岸の登山道に入る。いよいよ、7日間の縦走の始まりだ。石交じりの道がつづく。


※ 小池新道登山口 さあ、いよいよ出発だ

夜行バス(毎日アルペン号 竹橋毎日新聞社前22:30〜新穂高温泉6:00 ¥7000)の疲れと、樹林の中の蒸し暑さで少々堪えるが、足の痛み以外、体調はまずまずのようだ。
秩父沢は雪渓が豊富に残っていて、辺り一帯はひんやりする。最後の水場だというので水を満タンにし、ジグザクの道をシシウドヶ原に向けて進む、背後の彼方には焼ヶ岳が見える。


※ まだまだ雪渓が残る最後の水場 秩父沢

40分ほどで指導標の立つシシウドヶ原に。実はここでも、枝沢から水がとれた。ここより道は右に急旋回する。かつては大ノマ乗越にまっすぐ突き上げていたという。
沢の中の道を歩むこと1時間ぐらいで、湿地帯になると鏡平の池に出た。


※ 鏡池 穂高連峰は霧の中

残念ながら池に映る穂高連峰はガスのため全景は望めなかったが、ここにテン場があれば最高にご機嫌の場所である。
今日はここまでの人もいるようだ。早くも生ビールを飲んでいる人もいる。こっちとらそうはいかない、まだ、弓折乗越の稜線まで本日最後の登りがある。山荘より池の脇の木道を渡り、弓折岳に向けて登る。しばらくして道はトラバース道となり、笠ヶ岳と双六岳の稜線に飛び出す。


※ 弓折乗越からの南岳〜奥穂(中央キレット)を望む

あとは花見平のお花畑を経て、一路、双六池に向けて下るのみだ。


※ 雪田の中につづくトレース 左後方にかすかに鷲羽岳が

※ まさに「花見平」に咲き乱れる名も知らぬ花

しばらくすると、昨年強風の中で苦戦してテントを張った双六池のテント場が見えてきた。さあ、ビールだ!ビールだ! なぜか、足取りも軽くなってきた・・・。


※双六池のテント場遠望 中央に聳えるのは秀麗鷲羽岳

 <コースタイム>
 新穂高温泉(6:20)→わさび平小屋(7:40 7:55)→秩父沢(9:20 9:30)→
 シシウドヶ原(11:20)→鏡平山荘(12:20 12:35)→双六池(15:00)

● 7月28日(快晴) 双六池〜水晶小屋

満天の星空の下、目覚め、4時、出発。双六小屋の横からわずかな急登で分岐点(巻き道ルート・中道ルート・稜線ルート)に着く。今日は天気も良さそうなので、稜線コースで双六山頂を目指そうと思ったら、注意看板あり。(稜線コース・巻き道コース残雪多し、危険!)


※ 双六岳の山腹はまだまだ雪が多かった

ちょっと迷ったが、素直に指示に従い、昨年同様、「中道コース」を行くことにする。途中、ご来光に手を合わせ、朝露の中、お花畑の気持ちいい道を進む。そのまま行くと双六岳と丸山の鞍部に出てしまうので、途中、左に上がる道がついていたので、そのトレースを辿って行くと、山頂につづく「稜線コース」の道に出くわした。もう、そこからは山頂は指呼の距離。
槍・穂高の全景はまだ雲の中だったが、笠ヶ岳が姿を現わしている。お決まりの証拠写真を撮ってもらい、三俣蓮華へと向かう。


※ 雲海に浮かぶ穂高連峰

※ 天空を突き刺す穂先

※ 双六山頂にて

※ 雪渓の彼方に槍の全景が姿を現わす

※ 笠ヶ岳遠望

途中、丸山の登りあたりから北側も雲が切れてきて、黒部五郎の見事なカールが望めた。その右には薬師の雄姿も。


※ 黒部五郎岳の見事なカール

丸山からちょっと苦しい登りで富山・岐阜・長野を分ける三俣蓮華の山頂に着く。昨年はこの山頂は酷い風雨の中での通過であった。きょうは、穏やかな晴天の中、槍・穂高・黒部五郎・薬師、そしてこれから辿る鷲羽・水晶岳が迎えてくれている。
山頂より急降下、双六への「巻き道コース」を右に分け、這い松の中の道を下って行く。登りではそれほど感じない足の痛みが、下りになるとよみがえってくる。


※ あっ、三俣山荘が見えてきた!

しばらくの下りで、水が豊富に流れている三俣山荘のテン場に出た。
腹が減った、大休止。


※ 百名山 鷲羽と水晶岳(黒岳)

ここで予備水筒を含めて4リットルの水を持って行こうといったんは満タンにしたが、担いでみたら意気消沈。この重さで本日、最大のアルバイト「鷲羽岳」への高度差400メートルに挑むには、年を取り過ぎた。「老いては“山”に従え」とばかりに、素直に2リットルは捨てる。
山荘から仰ぎ見る鷲羽岳はさすが百名山の一つ、その雄姿は堂々たるものだ。
瓦礫のジグザクの道をただひたすら歩む。無心。右手から、かつて若き渓稜のとき湯俣から辿った「伊藤新道」が入ってくる。いまは廃道(小屋の人は「旧道」と呼んでいる)である。
歩く、無心、歩く、無心、歩く、無心・・・・。東に北鎌尾根、硫黄尾根、背後の南にはいま越えてきた三俣蓮華、そして西には祖父岳を経て雲の平とつづく道。


※ 北鎌尾根と硫黄尾根

※ 鷲羽の登りより、三俣蓮華岳を振り返る

いよいよ、山頂間近か? 右手眼下に紺い水を湛えた鷲羽池が望めた。


※ 眼下にブルーの水を湛える鷲羽池

10時50分、山頂。
この鷲羽岳は黒部に注ぎ込む大河の一滴がここから始まる、と言われている。
ここからはこれから辿るワリモ〜水晶小屋への緩やかな道が望める。岩苔乗越への道を左に分けるワリモ北分岐を通り、お花畑の中をルンルン気分(死語か、語彙不足です)で水晶小屋へ。


※ ワリモ分岐の先の一面に広がるお花畑

ここはテン場がないので、本日は小屋に素泊まりとなる。荷を置き、空身で水晶岳へ。


※ 水晶岳へと向かう

途中、鎖場が一カ所あるが、なんなく今回縦走の最高峰2978メートルの山頂に立つ。
赤牛に連なる「読売新道」がまっすぐのびている(いつか、やらねば・・・)、そして三日後に行く針ノ木岳が、かつて行った雲の平が・・・。


※水晶よりの帰り道 小屋の奥に常念、その左は大天井岳

 <コースタイム>
 双六池(4:00)→分岐(4:30 4:45)→双六岳(5:40 6:00)→
 三俣蓮華岳(7:30 7:40)→三俣山荘(8:25 8:50)→鷲羽岳(10:50)→
 水晶小屋(13:0013:15)→水晶岳(13:55 14:05)→小屋に戻る(14:40)

● 7月29日(暴風雨)前線通過のためか、一日中、雨・風強し 停滞とする

● 7月30日(曇りのち晴れ)水晶小屋〜烏帽子小屋

湿布が効いたのか、停滞休養がよかったのか、今日は痛みがない。
「よし、これならいけるぞ!」と、東沢乗越目指してヤセた岩稜の崩壊した尾根を、気をつけながら下る。
下りついたところが、東沢谷の源頭だ。黒部湖から東沢谷を遡行してくると、ここに突き上げてくるそうだ。


※ 東沢谷を遡るとここに

今朝はまだ一面ガスが立ち込めているが、時折切れ、晴れ間がのぞく、そんな天気模様である。
真砂岳から野口五郎岳への登りになる。左手に五郎池が望まれる。右から竹村新道が入ってきて少し行くと、真砂岳への分岐があった。荷を置き、山頂を目指したが、何も見えない。結局、どこが山頂やら分からなかった。
戻り、野口五郎を目指す。風が強くなってきた。雨が降っていないだけまだいい。瓦礫のジグザグの道がつづく。ガスの中に突然、人影が現れたかと思ったら、そこが山頂だった。


※ 何も見えなかった野口五郎岳山頂

野口五郎小屋に下りた頃には晴れ間もでてきた。大休止。(かつてはテント場があったが、ここは風が強く、小屋のトタンが飛ばされたり、テントが飛ばされたりして危険なので、いまでは無くなった、と小屋の人が言っていた)
三ッ岳に向けて進む。稜線漫歩。展望コースとお花畑コースの分かれ道に立つ。迷わず、後者を辿る。これが良かった。途中、雪田があり、冷たい水が流れていたので、汗をぬぐい、さっぱりする。
すぐに展望コースと出合う。そのあたりからは、烏帽子岳の鋭峰がかすかに見えている。広い尾根の花崗岩の砂礫地にはコマクサが咲き乱れていた。


※ 砂礫の中に咲くコマクサの群生

※ 可憐なコマクサをズームアップ

※ ガスに煙る烏帽子岳

烏帽子ヒョッタン池のテント場に下り着く。花咲き乱れるとてもいい場所である。ここに水が流れていれば、最高なんだが・・・。


※ひっそり建つ烏帽子小屋

11時半、まだ時間も早いので、一張りしかなかったテント場で、勿論、ゆっくりビールを飲む。本日はこれにて終了!


※気持ちのいいテント場(白いのが我がテント)
 
 <コースタイム>
 水晶小屋(4:45)→東沢乗越(5:25 5:35)→野口五郎岳(7:50)→
 野口五郎小屋(8:05 8:25)→烏帽子小屋(11:20)

…後編につづく

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