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■ 北岳バットレス   2006/10/07
カテゴリー: - 管理人 :

日付     2006年 10月07日〜08日
メンバー   中山、内海、小川、鈴木(直)、北村、川元、福王子、山下

【10月7日】
7月の会山行が天候不順で流れたので、そのリベンジ山行である。
出発当日まで本州を覆っていた雨雲も北に去り予報は晴天を告げていた。ただ冬型の気圧配置が強くなりそう。
7日朝の集合で順調に芦安の駐車場に到着、バスに揺られて広河原へ。
今日は白根お池の天場までだから楽である。しかし…雨がパラパラと…。
北岳の稜線は雲に隠れている。何だか嫌〜な予感がする。

お池小屋周辺は冷たい雨が吹き荒れていた。
早々にテントに入り、食事&酒のあと早めの就寝。
うぅ…会で一番大きくてもこのテントに8人は辛い…明日晴れてくれたらいいなぁ。

【10月8日】
4:30起床、5:30テント発。
樹林の中を二俣へ向かう。やたら寒いぞ…
見上げる北岳は上部が雲に覆われているが、ん?…うげげ!何だか白くなってる。樹林が凍っているみたい。ってことは昨夜稜線付近は雪だってことかえ?

まあ日が昇れば溶けるだろうし何とかなりそうだ、と甘い考え。
鳳凰三山の向こうから日が昇り、バットレスが金色に輝き始める。
赤や黄に彩られた尾根筋はもうすっかりと秋の装いだ。
「山っていいなあ」などと思うのはこんなときだ。

一歩一歩、高度を上げてゆく。
見上げるとBガリー、Cガリーとも凄い行列だ。悪天によるルートの状況から殆どのパーティが4尾根主稜に集中してしまったようだ。

オーダーは小川・鈴木でピラミッドフェース、中山・北村・川元、内海・福王子・山下の2パーティが4尾根主稜である。
人数が多いので内海パーティと中山パーティはAガリーから上部岸壁を抜け横断バンドで4尾根に取り付いて渋滞路をエスケープしようと画策、これが見事に当て外れ。
浮き石だらけで足の踏み場もない、側壁へ逃げようにも泥々の壁で草付をそろそろと這い上がる感じ。滑った転んだの挙げ句、やっとの思いで横断バンドに辿り着くが大幅な時間ロス。
「もーやだ、あんなトコ登りたくない」「今日の核心だったんじゃね?」好きなことを口走りつつ4尾根取付へ。取り敢えず順番をキープしなくては。まるで昼時のファミレスみたいだ。

驚きの人数!取り付きのテラスに上がりきれないパーティが下で待っている。小川・鈴木パーティはピラミッドフェースを早々に変更し4尾根に取り付いている。
ここで登攀具を武装し、腹ごしらえも済ませてひたすら待つ。
前に5〜6人の順番待ちは思ったより早く廻ってきた。さて行くか!
中山パーティに続いて内海パーティも登り出す。

1P目
出だしのクラックに足を突っ込むも途中で抜けなくなって大慌て。
3P目
ここで1時間半もの渋滞待ち。信じられない。
中山君は20m登ったところで先がつかえて進めずにいる。その間残りのメンバーは凍り付くような強風に煽られ続けながら、足場が安定しているので防寒着をしっかりと着込む。
う〜中山君、カワイソー。
5P目
強風に煽られながらリッジを上がる。天気が良かったら気分の良い高度感の筈だが、あまりの寒さに楽しむ余裕なし。またここで散々待たされる。何やってんだマッタク!
6〜7P目
懸垂下降後、クラックからカンテラインを辿る。6人が殆どタイムラグなしに行動。楽しむと言うよりひたすら登るだけ。
こうなったら日没と競争だ。何としても稜線直下でのビバークは避けたいし暖かいテントで酒が飲みたい。

17:30全員登攀終了。シッカリ握手で無事を祝う

暮れかかった踏み跡を稜線目指して登る。もうヘッドランプなしでは足元も覚束ない暗さだ。

慎重に辿り着いた稜線は強風の吹き荒れ「エビの尻尾」が岩を覆う冬の世界だった。
仙丈や甲斐駒に連なる稜線が夕日の中にドッシリと浮かぶ荘厳な景色が拡がっている。
とてもカメラなど構えている余裕もなく一気に大樺沢を下る。
先行したメンバーの後から川元嬢と山下がトボトボとついて行く。それにしても夜間行動なんてホント久しぶりだ。足が痛くて堪らない。そうはいっても歩かなくては辿り着けない。

沢から吹き上げてくる風に逆らいながらやっとの思いで辿り着いたテント場では思わぬ悲劇?が待っていた。

昼間の強風でテントが飛ばされていたのだ。
中はメチャクチャ。
ランタンが割れ中はガラスだらけ、個人装備もテントごとシェイクにしたみたいになっている。
何とか元の位置に張り直し、取るものも取り敢えず片付けて何とか夕食だけは済ます。
あ〜ゆっくりと酒でも飲みたかったんだけどな〜。
でもこれが冬山の稜線でなくて良かった。
帰ってきたら「テントがない!」では大変なことになるからなぁ。

【10月9日】
僅か2時間弱の下山路を痛む膝を庇いながらやっとの思いで広河原山荘前へ下る。
昨夜飲めなかった残りの酒とビールで乾杯。

今度は雲一つ無い稜線にキリリと立つ北岳を眺めながら広河原を後にした。

今回はルート的に十分な力量を持ったメンバーだったので充実した山行を実践することが出来たが更に高度なルートにトライ出来るよう、研鑽を積んでゆきたいと思う。

記:山下

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