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■ 剱岳・小窓尾根   2008/05/03
カテゴリー: - :

メンバー:中山、内海、鈴木直、安田、北村

5月2日(土) 浦和高砂小学校前出発21:00=関越道=上信越道=北陸道=

5月3日(日) =馬場島(P)3:30 7:00まで仮眠

馬場島8:00〜取水口9:00〜雷岩11:30〜1600mピーク13:30〜1900m(TS)15:00

天候 終日快晴

富山県警派出所に入山の挨拶をし、早月尾根パーティと別れ、左に白萩川沿いの林道に入る。
私は20数年ぶりの小窓尾根・そして他のメンバーは初めてであった。
20年前はこんな立派な道標は無かった。たしか、車止めのクサリがかけてあっただけだ。
地図を頼りに林道を進んだはず。

新緑に彩られた白萩川沿いの林道から見上げる小窓尾根は高く・そして遠くに見えていた。
残雪は山の上も下も少ない。

一時間歩き取水口より右岸高巻き道へ入る。
巻き道はまるで夏の頃のように暑い。
昔話で恐縮だが、夏は巻き道を進んだものだが、5月は残雪を利用して河原伝いに行けた。
一箇所渡渉はあったが水量も水深も大したことは無く、雪の上で裸足になって靴を背負って冷たい川をジャブジャブ渡って対岸の残雪上に這い上がった方が早かった。

巻き道の途中から河原に降りた。
タカノスワリのゴルジュが残雪伝いに通過できるものと思っていったが、案の定ぱっくりゴルジュが口を開けて通過を阻んでいた。

渡渉は無理なので先ほどの巻き道を登り返し、峠を越えて池ノ谷合流点対岸の残雪上に下降した。水の音がゴーゴー聞こえ残雪が少ないことが良く判る。
両岸からのブロックや落石に注意しつつ15分ほどで雷岩へ進む。
一時間のロス。しかし、ここで大休止する。
写真は雷岩と白萩川下流を見る。通常なら雪の上に雷岩は出てないはず。

先行パーティが小窓尾根に向かって雷岩より50mほど上から支尾根に取り付いていく。
雪が少なくドロ泥の尾根になっているみたいだ。

なつかしい大窓がきれいだ。いつかは北方稜線と思いつつ20年すぎてしまった。

雪が少ないのでここで水が汲める。雪解け水は冷たく美味しかった。

気を取り直し、我々も小窓尾根支尾根に取り付く。
雪の上は良いが、雪が無いところは地面むき出しのドロ壁だ。
ブッシュを掴んで無理やり登るところが数箇所。
40分程掛かって尾根上の踏み跡にたどりつく。ここから傾斜が緩み、歩きやすくなる。
さらに尾根を行くとやっと小窓尾根尾根上に上がる。
木陰が恋しい登りである。

雷岩から2時間掛かって池ノ谷が一望できる1600mピークに着く。

記念撮影その1(池ノ谷と小窓尾根をバックに)
(小窓尾根で見えているところは2100m付近)

記念撮影その2(北方稜線をバックに)

早月尾根パーティと無線交信後、上に向かって出発。
ゆるやかな尾根が続いている。
15:00に1900m付近のテント場に着く。
ところが残雪が少なく、尾根北側のかろうじて残った残雪を利用してテントを張ることになる。
5張りほどがひしめきあった。

5月4日(月)

TS 5:00 〜ニードル 7:00 〜ドーム 8:30 〜ピラミッド 10:00 〜マッチ箱 11:00 〜小窓の頭 12:00
〜小窓王懸垂点 13:00 〜 三の窓 14:00(TS)

天候 終日快晴

朝は少し冷え込んだので、アイゼンを着け出発。
残雪が少ないため、ブッシュ漕ぎを交えながら急な細い尾根を登る。
一時間登り2100mピーク。
ここからはニードルとドームが頭上に見えてくる。
写真中央左の急な尾根が小窓尾根。(2名が雪壁を登っている)
上部に尖った岩峰(ニードル)と丸い頂稜(ドーム)

雪壁は実際に行ってみるとこんな感じでスッパリ白萩川まで切れている。

こんな雪の割れ目も通過しました。

ニードルが頭上に迫ってくると尾根は急傾斜になってきた。

尾根を左右に登りやすい斜面を探して登る。

ニードル基部には7:00に到着した。
ここで無線交信。剣尾根の頭と早月尾根上部が良く見え始める。

昔は、ニードルの通過はトラバースルートが崩壊しつつあったので、ニードルを登って、反対側に歩いて降りるのが普通だった。ところが、ニードルが崩れ、小クワガタのハサミみたくなったのもあり、どうも迫力が無くなった。
トラバースバンドも歩けないくらいに壊れて、それが逆に7〜8mの懸垂下降で楽に通過できるようになったみたいだ。
写真だけ見ているとどこかのショートゲレンデで懸垂の練習をしているように見えるが、実際は下は結構切れ落ちている。

ニードルは懸垂下降後もバンド沿いに白萩側に出て尾根上をドームとのコルへ岩稜伝いに30mほど下降する。
ドームは通常正面から右に登っていくのだが、雪が全く無くブッシュが露出しているので、白萩側の雪壁を登った。
ドームの頂上からはチンネが見え始めた。
写真左V字に切れた右側の一枚岩がチンネ、マッチ箱が正面に大きく立ちはだかる。

ドームからは正面に見えるピラミッドを登る。

まず、ピラミッドとのコルに下りて、尾根伝いにそのままピラミッドの壁下まで登る。
振り返るとドームの丸いピーク。

次に古いフィックスロープの掛かったバンドを5mほど右にトラバース。
その後右斜め上方へ少し、次に左上方へ少し登るとしっかりした踏み跡に乗れる。
我々はここでロープを20m程使用した。

踏み跡伝いにピラミッド上半分の三角壁の基部をブッシュ伝いに右に大きくトラバースし、池ノ谷側からくる支尾根を登りピラミッドの肩に上がる。
マッチ箱のコルに人が立っているのが見える。

マッチ箱のテント場。
ハイ松だらけの斜面だが、ドーム頂上以降マッチ箱の頭間では唯一の避難場所。

いよいよ核心(いやハイライト)でマッチの岩場が迫ってくる。

22年前の正月にこの狭い避難所で数パーティがひしめきあって2日間に渡って冬の嵐をやり過ごした。

ここどうやって登るのだろうと思うくらいそびえ立つマッチ。

なつかしの風雪の岩稜。
凍った硬いザイルが風で頭上に舞い上がり通過するだけで2時間掛かった岩稜。 

あれから20年経って、5月に夏山のように乾いた岩稜を通過する。
登ったり、降りたり、跨いだり、バランスで渡ったり、結構忙しいがあっという間に通過完了。


最後はチムニーと呼ばれている雪壁をのぼり、マッチの頂稜に続く尾根をひたすら一気に上がる。

いよいよ北方稜線との合流が近づいてくる。
11:00 早月尾根パーティと交信する。

剣岳頂上もだいぶ低くなってきた。

小窓王とチンネ、池ノ谷ガリーが間近になる。

12:00小窓の頭に到着。
小窓尾根は終わった。

今宵の泊まり場である三の窓まではもう一息。
後立山連峰の山々を見ながら小窓の頭のコルへ下り、北方稜線と合流する。

100m程の高低を持つピークを雪稜沿いに2つ越えて小窓王の基部へ向かう。

池ノ谷ガリーの急斜面が近づいてきた。

小窓王の基部では雪がぐちゃぐちゃに腐っているので懸垂下降の順番待ちを数分行った。

懸垂下降は見ての通りそんなには急ではなく、雪の状態次第でクライムダウンもできる程度。
でも、懸垂下降は50mはたっぷりあった。

写真は我々が懸垂した場所を三の窓から見る。

ノーザイルでクライムダウンする場合は、滑落したら池ノ谷左俣の谷底まで一直線だから十分注意が必要。
写真は池ノ谷左俣。

三の窓には14:00に着く。
天気は良いし日は長いのでもっと先まで行けそうだったが、疲れもあったのでここに泊まることにした。テントはジャンダルム下の池ノ谷側に張った。

富山湾の海岸線・能登半島が見えるロケーションだった。

反対側は後立山連峰がきれいに見えている。

夕方になると悪天を告げる高層雲が日本海より押し寄せてきた。
天気予報を携帯電話のワンセグで受信。
その利便性に時代の流れを感じずにはいられない。
翌日の天気は確実に悪い。

5月5日(火)

TS 4:00 〜池ノ谷乗越 5:00 〜剣岳頂上 6:00 〜早月小屋 8:00 〜馬場島 11:30

天候 曇り時々雨

天候悪化のため時間を早めて出発した。
急な池ノ谷ガリーも氷化は無くステップが切ってあれば、さして困難ではない。
また気温も低くなく程ほどに雪も硬くなく、快適である。
ヘッドランプで照らされた階段登りを40分ほどで池ノ谷乗越に着く。

乗越から雪稜の稜線歩きになる。

長次郎の頭は剣沢側の斜面を一気に巻いた。

写真前方は剣岳頂稜部へ続く登り。

長次郎のコルへの下降も雪が多量にあるとクライムダウンをせずに済むので大変楽だ。

写真は長次郎のコルから山頂への急な斜面。

頂上へ続く緩やかな稜線から後方を振り返る。
トラバースの長次郎の頭と八ッ峰の頭から八ッ峰

頂上にて記念撮影

剣沢方面

雨交じりのガスに煙る 富山平野と富山湾/能登半島

早月尾根『かにのはさみ』付近の下降

少し下っただけで天気が持ち直した。

天気が悪くなっているので、ガーガー鳴きながら雷鳥君登場。
2〜3mと近くまで寄ってきて抗議。
『人間は邪魔だからあっち行け!』だって!

早月小屋まで30分くらいのところで早月尾根パーティと交信。
正月合宿のデポ品も無傷で無事回収済み。
彼らは小屋よりさらに30分くらい下にいるらしい。
小窓パーティの荷下げ分は早月小屋前に置いてあった。

写真は小屋前から見る小窓尾根。

高曇りで直射日光から開放され、暑くなく、寒くなく歩きには助かる。
小屋前から見る富山平野と富山湾

雪面の状況もこの上無く良い状態で歩きやすく行程がはかどる。

新緑に萌える松尾平までは2時間ほどだった。

松尾平で早月パーティに追いつき合同で下山する。

松尾平はそこかしこにカタクリの花が咲き乱れていた。
葉っぱは天ぷらにするとおいしいと誰かが言っていた。

馬場島に着くと、駐車スペースが無いくらい車で混雑していた。
県内ナンバーが多く、おおらかにバーベキューとかやっている。
富山県にくるといつも思うのだが、金銭では無い心の『豊かさ』を感じる。
派出所に下山報告を行い、馬場島荘で風呂に入り、13:00すぎには帰路に着く。
途中渋滞が何箇所もあり、思わぬ時間が掛かり、浦和埼大前のデニーズに着いたのは21:30だった。
デニーズで飯と清算を行い、浦和駅前で解散し自宅に戻ったのは24:00少し前だった。

参加の皆さんお疲れ様でした。

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